SSブログ

「マリーアントワネット」花總マリー東京千秋楽 [舞台]

久しぶりのドレス姿の花總まりさんに見惚れて感激しました。
7929ED30-A832-4C5A-A4A2-4CC20056A81E.jpeg
「MAマリーアントワネット」
2月20日ソワレ、花總マリー東京千秋楽回でした。

このキャストで休日の都合の良い時間帯、と考えるとこの回しかなくて、マイ初日にしてマイ楽でした(^◇^;)

花の会で当選したS席、1階後方サイドの席でしたが千鳥配置で視界を遮るものはなく、良く見えました。
最近は1階後方が続き、見渡せるその席位置が好きになってきました。

B3206182-8169-437C-815A-9DC1A53B6F66.jpeg
万里生フェルセンが報せを受け取り
「まさか
しんじられない
ころされてしまった」
と歌うところから始まります。
そして過去に戻り
華やかな場面に変わり花總マリー登場
「ボンジュール!」
ここで割れんばかりの拍手です。
観客は一気にベルサイユにトリップ。
さすがです!
ドレス姿が美しい方は他にもいるけれど花總さんの気品や高貴さは唯一無二です。
観にきて良かった、と、心から思いました。
EA289833-5E1D-445B-9384-CFC7E3FA17B6.jpeg
しかしこの作品、
過去の公演も観ましたが
ストーリー展開がちょっと残念で。
タイトル「MA」とは
マリーアントワネットと
平民で貧しく飢えたマルグリットアグノー
なのですが
マルグリットが舞踏会に乱入できちゃったり、そこでシャンパンをかけてもお咎めなし、後日フェルセンに「偶然」会って、フェルセンが覚えていてくれているし、極め付けが
もしかしたら異母姉妹なのでは、という展開になるし(^◇^;)
ご都合良いネタを入れすぎなんですよね。2人が異母姉妹でなくても作品のテーマとして問題ありません。
それに、
マリーは花總まりさんと笹本玲奈さんのダブルキャスト、
マルグリットはソニンさんと昆夏美さんのダブルキャストなのですが
マリーのお二人とマルグリットのお二人が、育ってきた環境が違うにしても
全く似てなくて説得力ありません。
(すみません、、、)
もしいつかまた再演することがあるならば
マリーとマルグリットを
花總まりさんと笹本玲奈さんの二役ダブルキャストにしたら
異母姉妹かも?と納得できます。
マリーと親しくしたいローアン大司教は、マリーに変装したマルグリットを見て本人と勘違いするという場面があるので、マリー役とマルグリット役は背格好も似ていなくてはならないと思います。たまたまマルグリット役のお二人は小柄なので違和感有り有りでした。
でもソニンさんも昆夏美さんもたいへん上手で素晴らしい女優さんだから、
マルグリットはこのお二人がいいです。、、、だから必然的に「マリーとマルグリットは異母姉妹?」設定は不用なのです。

田代万里生さんフェルセンは優しい恋人でありながら正しくマリーを諭す保護者のような存在であり、細やかな演技も佇まいも歌唱も全て素敵でした。

上原理生さんオルレアンは、悪役に徹して俺様オーラ全開で、そして圧倒的な歌唱力!
前回の公演では吉原光夫さんがオルレアンでしたが、吉原さんも素晴らしかったです。オルレアン役は歌唱力抜群路線ですね。

ソニンさんマルグリットは、こういう役はハマりにハマるソニンさんの魅力全開で、力強く権力に立ち向かっていきながら女性として人として目覚めていく過程の歌唱と演技が素晴らしかったです。

それから、今回とても感情移入して心を打たれたのは
原田優一さんルイ16世でした。
贅沢三昧で愛人にゾッコンなマリーを、全て受け入れて愛し、子供たちの良き父で、そして国民を愛していた、みていて哀しくなるほど実直善良な存在です。そのルイを実に巧みな地味さで演じていました。
最後に囚われて家族と過ごす場面での「もしも鍛冶屋だったら」
素晴らしくて、1番心打たれました。
原田優一さん、もっともっと王道ミュージカルに出てほしいです。

そしてそして
花總まりさんマリー!
前半は脳内お花畑で深くものごとを考えずきゃぴきゃぴしたマリーを
ピュアな愛らしさで演じ、
「なんて愚かなおんな、、、」とあきれながらもどこか憎めないのです、さすがです。
後半は因果応報、不幸へまっしぐらで
牢獄に入れられ、息子とも離され、白髪になり質素な服を纏い
表情も全く以前のマリーではなくなります
前半のお花畑マリーを見てきたからこそ、この、全て喪失したマリーの表情が活きるのだと思います。
裁判にかけられる場面では、やっと
1人の女性として、人間として、自分の頭で考え、自分の足でしっかりと立つことができ、誇りは失わず毅然とした真に美しいマリーでした。
この場面でマルグリットも真に目醒め、2人は最後に心を通わせるのです。

ちょっと陳腐なストーリーを、キャストが素晴らしくカバーして仕上げた作品だと思います。




nice!(17) 
共通テーマ:演劇

nice! 17

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。